シェリーの種類を知る。5つのスタイル、その違いとは?| Winebar Le3のおすすめワイン

ガウマルジョバ!Winebar Le3です。
前回は「シェリーとは何か」を基礎からご紹介しました。

今回はいよいよ、シェリーの「種類」について。
「フィノ」「オロロソ」「PX」……
名前を聞いても、それぞれ何が違うのか、なかなかピンとこないですよね。

実はシェリーの個性を知るカギは、「どのように熟成するか」にあります。

今日はその分かれ道をたどりながら、シェリーの代表的な5つのスタイルを、できるだけ分かりやすく紐解いていきます。


シェリーの分かれ道は「フロール」

シェリーの多くは、パロミノという白ブドウから造られます。

ワインになった後、樽の中で熟成させる段階で大きな分岐点となるのが、**「フロール(産膜酵母)」**です。

フロールとは、ワインの表面に浮かぶ白い膜のような酵母のこと。

このフロールが育つかどうかによって、シェリーは大きく異なる個性を持つようになります。

フロールが育つ

→ 酸化を抑えながら熟成
→ 軽やかでドライな味わいへ

フロールが育たない

→ 酸素に触れながら熟成
→ 色が濃く、香ばしく複雑な味わいへ

そして、途中でフロールが消えて熟成方法が変わるものもあります。

この「分かれ道」を知っておくと、シェリーの種類がぐっと分かりやすくなります。


1. フィノ/マンサニージャ

フロールが育てる「潮風を思わせる辛口」

特徴:軽やか、シャープ、ドライ。

フィノとマンサニージャは、樽の中でフロールの下で熟成するシェリー。
フロールがワインの表面を覆うことで酸化を抑えながら熟成し、独特の酵母由来の香りや、ナッツ、ハーブなどの複雑なニュアンスが生まれます。

どちらも基本的にはすっきりとした辛口
フィノは主にヘレス周辺で造られ、シャープでキレのある味わいが特徴です。

一方、マンサニージャは海に近いサンルーカル・デ・バラメダで造られるものだけが名乗れるスタイル。
海辺の独特な環境の中で熟成されることから、より繊細で、塩味を思わせるニュアンスを感じることもあります。
冷やして飲むのがおすすめで、天ぷら、お刺身、生ハム、オリーブなど、塩気や油を使った料理との相性が抜群です。


2. アモンティリャード

辛口から途中で変化する「二重人格」

特徴:フィノの軽やかさと、オロロソの香ばしさ。

アモンティリャードは、シェリーの中でも特に面白いスタイル。

最初はフィノと同じように、フロールの下で熟成します。

ところが途中でフロールが弱まり、なくなることで、そこからは酸素に触れながら熟成する酸化熟成へと移っていきます。

つまり、

フロールの下で熟成

フロールが消える

酸化熟成へ

という、2つの熟成方法を経験するシェリー。

そのため、フィノのようなドライで繊細な印象を残しながら、ナッツや香ばしさ、複雑な熟成香も楽しめます。

「軽やかだけど、奥行きがある」。

そんな独特のバランスがアモンティリャードの魅力です。

きのこ料理、出汁の効いた和食、鶏肉料理、チーズなどとも好相性。


3. オロロソ

フロールを形成させず、じっくり熟成する「王道の熟成派」

特徴:濃厚、香ばしい、力強い。

オロロソは、フィノとは対照的な造り方をします。

酒精強化によってフロールが形成されない状態にし、樽の中で酸素に触れながらじっくりと熟成させます。

その結果、色は深くなり、くるみやアーモンドなどのナッツ、キャラメル、ドライフルーツを思わせる、香ばしく複雑な香りが生まれます。

味わいは辛口ですが、フィノのような軽快さではなく、厚みのある力強い飲み口

赤身肉やジビエ、煮込み料理、熟成チーズなど、しっかりとした味わいの料理ともよく合います。


4. ミディアム

辛口と甘口の「いいとこ取り」で料理に合わせやすい種類

特徴:まろやかで飲みやすく、ほどよい甘さ。

ミディアムは、辛口のシェリーをベースに、PXなどの甘口シェリーをブレンドして造られるスタイルです。
辛口シェリーならではの複雑な香りを残しながら、甘口ワインを加えることで、よりまろやかで親しみやすい味わいになります。

「シェリーって、ちょっとクセがありそう……」
そんな方にも試してほしいスタイル。
筆者の担当はミディアムが大好き。餃子や中華、台湾料理系などにむちゃくちゃあいます!
当店は、このミディアムに合わせる料理が実は多い・・かもしれない。他ももちろんおすすめです。


5. PX(ペドロ・ヒメネス)

太陽が生んだ「黒蜜のような極甘口」

特徴:濃厚、甘美、とろり。

最後は、シェリーの中でも特に印象的な甘口、PX(ペドロ・ヒメネス)
名前の由来でもあるペドロ・ヒメネスという品種のブドウを収穫した後、太陽の下で天日干しします。

ブドウの水分が抜けることで糖分や風味が凝縮され、非常に濃厚な甘口ワインになります。色は深い黒褐色。

レーズン、プルーン、黒蜜、チョコレートなどを思わせる濃密な香りと、ねっとりとした甘さが特徴です。
そのままデザートワインとして楽しむのはもちろん、バニラアイスにかけるのも定番。
しかしWinebarLe3ではあるアイスとあわせてお出しすることが多いですよ~。
気になる方はぜひお声がけください!

ブルーチーズのような塩気の強いチーズと合わせると、甘さとのコントラストも楽しめます。


まとめ

シェリーは「熟成方法」を知ると、もっと面白い

今回ご紹介した5つのスタイル。

フロールの下で軽やかに熟成する
→ フィノ/マンサニージャ

途中でフロールが消え、酸化熟成へ
→ アモンティリャード

フロールを形成させず、最初から酸化熟成
→ オロロソ

辛口と甘口をブレンド
→ ミディアム

天日干ししたブドウから生まれる極甘口
→ PX

同じ「シェリー」というひとつのカテゴリーの中に、これほど違った表情があります。

だからこそ、シェリーは知れば知るほど面白いお酒。

ルトロワでは、フィノからPXまで、それぞれの個性を一度に楽しめるシェリーの飲み比べもご用意しています。

「これがフロールの味なんだ」
「同じシェリーなのに、こんなに違うんだ」

そんな発見を、ぜひ実際のグラスで確かめてみてください。

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